例えば、人には人によっての色がある。
赤だったり白だったり、青だったり黄色だったり。
オーラと呼ぶものでもいい、けれどそれは感情の起伏によって様々な色を見せるものだ。
怒りを赤だと言ったり、悲しみを青だと言ったり、嬉しさは橙や黄色などの明るい色。
なのにそいつにはその色の変化がなかった。
均一な色2 |
どうやって軍主のあの完璧な仮面を剥がすか、思案するもこれといって策は思いつかなかった。
いつものように石版の部屋に居座りあーでもないこーでもないとひとり考えに没頭している平和と言えば平和な時は、けれど前と同じように突然現れた軍主によって終わりを告げる。
軍主はどこか面倒そうに、「レパントからの頼みで模範稽古をやる」と言った。
その言葉を聞いた時、これは前の仕返しに来たのだとシーナは思ったものだ。
それをルックに耳打ちしても、少年はこれまたどうでもよさそうに、「アホらし」の一蹴りだったが。
シーナにはそうとしか思えない。
□■□■□
舟に乗ってやって来た場所は湖城がすぐ見えるちょっとした草原だった。
軍主が「忙しいからそんなに時間はとらない」と言うものだから、軍主とシーナは早速互いの武器を構えて対峙している。
別にシーナとしてもこんな稽古試合なんて望んでいない。親父の言うことなんか聞かなくてもよかったんだぜ、とシーナが言うと、軍主は眉を寄せて泣きつかれたんだと零した。
レパントが部屋に入って来て「あの馬鹿息子にどうかひとつ指導を」と縋りつかれ、けれど目の端に映る書類の山に軍主は断ろうとした。
今はいろいろと取り決めなければならないことが多い。
なのに最近城に篭りっぱなしですから、準備運動でもしてきたらどうです? と成り行きを見守っていた軍師がそんなことを言ってきたのだ。
レパントはそれを聞いて喜ぶし、お茶を入れていたグレミオもそれがいいです! と賛同する始末で。
当人を差し置いて進む話に、今更無理だとは言えないだろう。マッシュは何食わぬ顔で書類の作成を始めている。
時に有能すぎる軍師というものにも困るものだ。軍主はその時強くそう思った。
「さっきも言ったが時間はそうとらない。すぐに終わらせる」
「もし俺が買ったら何か褒美とかくれたりするのかよ、軍主さま? 俺としてはそっちの方が気合が入るんだけどさ」
「お前な。元はと言えばお前の父親が出した提案なのに、えらく勝手な物言いだな」
「ねえ、何でもさっさと始めてさっさと終わらせてよね」
横から口を挟んできたのは、大きな石の上に座り今回のことを見届けることになったルックだ。
何故ルックがいるのかと言うと、シーナとよく一緒にいることから「仲間はずれにしたら可哀想ですよ」、とのよくわからないグレミオ理論が働いたからだ。
グレミオは思い込みが激しいのが難点である。
剣を下げ棍を構え、一定の距離を置き息を重く吸い込む。
ルックの手が上から下へ振り落とされたのが合図だった。
片手で剣を握り締めたシーナが駆け出し、距離を詰めるとそれを下から斜め上へ素早く切り上げる。
その弧を描く軌道を軍主の棍が捕らえ、瞬間身を少し屈ませた軍主は下から上へ身体の伸び上がる反動で受け止めた剣を振り解いた。
一歩二歩と後退したシーナが、軸足を捻って円を描くように次に軍主の足元を狙う。しっかりと角度と高さを見た軍主が跳ねることでそれをやり過ごす。
予想通り。
宙を横一線に切ったシーナは素早く手首を反り返し、今度は斜め一直線に風ごと切り上げた。
高く唸る剣先を空中で受け止め、身体を反らして避ける。
足が地面に着くと同時に距離を詰め、棍を両手で振り回し威力をつけて頭上から下へ。
シーナがそれを剣で受け流す。瞬時軍主が足を蹴り上げ、シーナはそれを後ろへ跳躍することで逃れそのまま大きく二歩三歩と距離をとった。
流れるような一瞬の動作を終え、始めと同じような距離で対峙する。
少し息を弾ませてシーナは口の端を引いた。
「防ぐのと叩くだけじゃ、俺には勝てないぜ、軍主さま。足なんかが出る当たり武器には向いてないんじゃねえの、それ」
「はっ、言ってろ。体術も立派な戦闘手段のひとつだ。シーナこそ得意の魔法を使ってもいいんだぞ」
「流石軍主さま。余裕なんだな。俺が宿してるのは火だから焼け野原にはしたくなかったんだけど、それじゃあ遠慮なく使わしてもらうぜ。いざとなったらルックもいるしな」
「シーナ。お前が勝ったら町へ遊びに出してやる。その代わり負けたら何か奢ってもらうからな」
「マジで? へへっ、そりゃ何が何でも勝たないと」
口だけで笑って、シーナは瞬間的に魔力を練り上げ軍主に火の矢を放った。
軍主が棍でそれらを相手している間に駆け出し距離を詰める。
「はっ」
掛け声と共に薙ぎ払いの一線を仕掛けると、軍主はそれを固い棍で凌いだ。
上下左右斜めと多才な角度からの攻撃をシーナは何度も連続して繰り出し、軍主の棍がそれを防ぐという攻防が暫く続く。
その間に軍主もシーナも、相手の意表をつく攻めを何度も見せた。けれどどれも決まる一打はなく。
頃合を見計らって幅の狭い鋭利な長剣を横薙ぎにし、シーナが距離をとった。
そして三歩の距離を両手で剣を構えて斬りかかる。
血筋からか軽薄ながらも剣の腕が立つシーナだからこそ、どうやれば重い太刀を与えられるか、シーナは知っていた。
軍主は棍の端と端を片手で持つことでそれを受け止める。
互いの武器が十字にクロスし止まり、固い棍にぎりぎりと刃が噛み付く。
動けない、一歩も引かない同等の力によるものだった。
(―――面白い―…)
崖っぷちの遣り取りのような緊張感。
いつしか苛立ちは薄れ、シーナは相手に刃を振るうことしか頭にない高揚感を感じていた。
いくら稽古といってもこれほどの真剣試合は初めてだ。
軍主はどこまでも黒い何も映さない目で、射抜くようにまっすぐとこちらを見ている。
けれどこの目は嫌いではない。
目の前の相手をどう倒そうかと思っている武人の目というやつだろう。
「そうやって楽しいことだけに夢中になればいいんじゃねえ? まだガキって言ってもいい歳なんだし」
「…なんだそれ」
「俺はお前が軍主であろうと作っている笑みとか、強気の目だとか、そういうのが気に入らねえんだよ。なあ、どうしてそこまで偽る必要があるんだ?」
「……それがお前が苛ついていた理由か、」
自分とそう変わらない年だというのに、その少年は想像もしきれないほどの大きなものを背負っている。
けれどそれを苦だとも億尾にも出さず、顔や態度を偽って大人びた表情をしている。
シーナにはそれが必死で軍主であろうとしていたように見えた。
気に入らなかった。
重いなら下ろせばいい、無理だと言って諦めるでも逃げるでもすればいい。
周りの奴らはその重い荷が少年を変えていることに気付かない。
苛ついた。
シーナにも似たような覚えがあることだ。親が立派だからこそあった、重圧。
けれどシーナはその期待に応えられた例がない。いつも中途半端で終わるのが常だった。逃げて投げ出したことも何度もあった。
軍主も元は5代将軍の息子だ。自分以上の期待も望みもあったことだろう。
なのに何故そこまで軍主であろうとする。
そこまで考えて、シーナははっとした。
(――これってもしかして、俺こいつに嫉妬してるとか…?)
似た境遇の立場だったからこその、感情移入か、
投げ出さないことへの、羨ましさか、
自分を変えてまで応えようとする嫉み、
気付いてやらない周囲への怒り、
――――ピースがぴったりはまったような気がした。
「―――――っ、」
それまで力を受け止めていただけの軍主の棍が小さく引き押し戻すことで一定の場所にかけていた力を弱らせ、長丁場に渡って続いていた力の押し合いは終わりを告げた。
シーナが反撃を構える前に素早い身のこなしで軍主の蹴りが、ついにシーナへ入る。
けれど咄嗟に身を引いたことで決定打とはいかない。
反動で飛ぶ身体を手をつくことで止め、体勢を低くしたまま魔力を練り上げ手の平に留めたシーナは反動をつけて軍主へ飛び掛った。
手の上で赤く光る火球をぶつけるべく、軍主の顔前まで近づける。
やばいと思った。
ここまで凝縮した小さな魔法でも至近距離で食らえばダメージもでかい。
振るうにはリーチの場がなく、軍主はシーナの伸ばした手を足で蹴り上げた。
けれど火球はフェイクだ。
もろに足蹴りを食らった手の痛さに顔を顰めながらも、シーナは左手で器用に横薙ぎを入れてきた。
ほとんど反射と言ってもいい。
隙もなく首の高さに入ってきた剣を棍で受け流すように捕らえ半回転で巻き込み、剣の勢いを殺すとそのまま軍主は棍を突いた。
叩く、防ぐ、振るうの棍の形しか見ていなかったシーナはそれに驚き間合いを取る。
久々の運動にシーナはぜいぜいと息を荒げ流れた汗を甲で拭った。シーナほどではないが軍主も息を乱している。
シーナは軍主を嫌う理由に、やっと辿り着いた。ただの生理的に気に入らないだけだと思ってはいたが、どうやらちゃんとした理由があったらしい。
しかも自分とに重ねていたなんて。
(けど今はどうでもいい―――…)
今しなければならないことは、目の前の男を倒すことだけだ。
シーナは夢中だった。
「おいルック、お前も来て一緒にやれよ。もちろん俺のチームで」
けれど今の流れではとても軍主に勝てそうにない。
シーナは背後に意識を向けてぜえぜえの息遣いでにやりと笑った。
「は? やだよ、そんなの。疲れることは大嫌いなんだ」
「そう言うなって。魔術書でも晩飯でも俺が払える分なら奢ってやるから! そういう特別ルール、どうよ軍主さま?」
「別に俺はいいけど。けどどうしても勝ちたいみたいだな、シーナ」
相手の動作にしっかりと気を配りながらも口だけで軍主は笑う。
シーナも同じような笑みを返した。
「ああ、死ぬほど勝ちてえ。ルック、援護頼むな」
「後できっちり倍返ししてもらうからね」
座り続けていた石から降り、仕方がないとでも言いそうにルックは息を吐く。
けれど大人しくしていたのをみると、これはこれで結構楽しんでいたのかもしれない。
流石その歳で魔法兵団長の位をもつだけあるか、ルックはすぐに風の魔法を練り上げ杖でそれを振るった。
途端一文字の風の刃が牙をむいてくる。
休んでいる暇もない。
早急に息を整えると軍主はステップを踏むようにそれを避けた。
ルックの魔法の威力ともなると棍で防ぐことはできないから、すべて動体視力と反射能力にかかっている。
ルックは容赦なく次から次へと魔法を仕掛ける。きりがない。
軍主は右の軸足を捻ったところで、近くの森へ一目散に駆け出した。
ルックが舌打ちをして追いかけるように風を放つが、一歩遅く軍主は雑木林へと身を隠してしまう。
あそこまでいかれると草原に出ないかぎりこちらに近寄っては来ないが、魔法だって届きはしない。
「時間がないんじゃなかったのかー?!」
やっと息を整えたシーナが叫ぶと、それと同時に大きな石が的確に三発飛んできた。もちろん避けたが、わかっているとでもいう返事だろう。
草や葉の少しの動きも見逃さないように目を凝らしながら、シーナは声だけで確認をとる。
「ルック、風以外の魔法は?」
「今は雷も宿してるけど、まだ練習はしてないからコントロールは保証しかねないよ」
「充分。俺が雷落ちるところにあいつを誘導する」
シーナはくるりと剣を回す。
と、軍主が茂みから出てきたのを合図にシーナも駆け出した。
ルックは詠唱に入る。
どちらもが攻めに入る攻防がまた始まった。
体力のことも考えて一発でもダメージを負わせれば決まる。
このところ遊んでばかりだったシーナも書類と格闘し神経を磨り減らしている軍主も、体力も精神的にもキツイものがあったがけれどどちらも引くことも音を上げようとはしない。互いに負けず嫌いなのだ。
今度は距離をとっては交え、また離れるという一機一刀を繰り返していた。
そうこうしているうちに頭上でルックの編んだ雷が静電気を起こしつつある。
それに逸早く気付いたのは軍主だった。
棍をくるりと回して持つ手を下へとずらすと、棍のリーチを長く取りシーナへと振り落とす。
思っていたのとは違うリーチの距離にシーナは後ろへ跳躍した。
その隙を狙って、軍主が獣のように一瞬で距離を詰める。
相手の懐に入った。
軍主がにやりと笑う。
しまったとシーナは思った。
くそっ、と地に足が着く前に空中でシーナが剣を振り落とす。
けれどそれを見越していた軍主は、下から上へ大きく棍を振り上げた。
咄嗟で力が入らず、シーナの剣は棍に跳ね飛ばされ頭上高くにくるりと飛ぶ。
そしてそれは落ちた。
「ぎゃあっ!!」
直撃。
剣ではなく、剣に向かってルックの溜めた雷が。
そしてそれは当然下にいたシーナにも被害が及ぶ。
ばたり。
「…………………」
「…………おい、大丈夫か?」
地に倒れぷすぷると音が出そうなシーナに、軍主はちょっぴり心配になる。
「だから制御は効かないって言ったじゃないか」
策を講じたのは軍主だが全く方向を外そうとしなかった張本人は、悪びれもなく言って歩み寄ってきた。
お前な。軍主は思う。
けれどシーナのすごいところはすぐに馴染む対応性や社交性だけではなく、どんなことにも乗り切る強靭な体力と精神にある。
言うなればタフなのだ。
「だーーっ! おい、ルック! お前なんつーことしてくれてんだよ!」
「文句言われる筋合いはないね。僕はちゃんと警告したはずだよ」
「それでも咄嗟に威力弱めるとか無理矢理方向変えるとかあるだろっ!」
「威力を弱くしたからアンタ生きてるんじゃないか。ぎゃあぎゃあ騒ぐ以外に能はないわけ?」
シーナは雷に打たれたとは思えないほどすぐにぴんと立ち、しかも口論をするまでの体力もあった。思考回路もばっちりだ。
とても元気である。
信憑性は低いがもしかしたら言う通り、ルックは威力を弱めていたのかもしれない。
―いや、しかしそれよりも気になるのが――、
シーナが目敏く気付いた。
「……何笑ってんだよ」
「いや、だってなあ、ルック?」
「アンタの頭が大変なことになってるんだよ」
「頭あ?」
シーナはすぐ近くの水面へ近寄り、
「ちょ、おま、これっっ!!!」
そして森で憩う鳥たちが飛び立つほどの大声を出した。
雷に打たれ、シーナの頭は髪先がちりちりに焦げていたのだ。
世の女性たちに声を掛けることに青春をかけているシーナにとっては、これまでの何よりも非常に由々しき事態であった。
すでに涙目だ。
「おいルック! これどうしてくれるんだ!」
「知らない。髪なんてその内直るだろ。大袈裟なんだよ」
「お前は俺が磨きに磨きを掛けたスタイルのよさをちっともわかってない!!」
「ぷ、ははははははは」
涙目で自分の手入れの大変さを力説するシーナを、どうでもいいとばかりに受け流すルック。
そして軍主は急に笑い出した。
いつも飄々としていて人を食ったような笑みしか見せない常から考えれば、信じられない光景である。
こればかりはルックもシーナも目が点だ。
しかも一度はまれば中々治まらないらしく、ついには腹を抱えて軍主はひいひい笑いだす。
目が点にしかならない。
「は、腹痛い…」
「あの、軍主さま…? 大丈夫か、おい」
「ああ、うん、平気だ。悪い」
「いや、いいけど…」
その様子をぼけっと見ていると、呆然とするシーナにルックがうんと頷いた。
「よかったじゃない。軍主の化けの皮が剥がせて」
「俺の頭と引き換えにか?」
他にも方法はあっただろうとシーナは強く思った。
□■□■□
「軍主の重みから変わろうとしたんでも、軍主であることを苦だとも思ったことはないさ。ただ変わろうと俺は自分の意思で思ったんだ」
まさかシーナにそのことを指摘されるとは思ってみなかったけどな。
落ち着いたところで、軍主は笑ってそう言った。
今のシーナの目に映る軍主は、見ては気に食わないと思っていた軍主ではない。
思いっきり戦ったからかしっかりとした返答を聞いたからかはわからないが、胸の蟠りは消えていた。
「前にもルックが言っていたが、初陣が終わってからこのままじゃいけないって気がしたんだよ。戦争を経験して、実際に命の掛け合いをして改めてそう思った。強いられたわけじゃないけどな、俺は自分で変わることを決めたんだ」
言い聞かせるようにどこか誇ったように、真っ直ぐとした強い目で軍主はそう言った。
シーナはもう一度飲み込むようにゆっくりと言葉を転がす。
「全部自分の意思、ね」
軍主という大きな役目があるからこそ、期待の重みで“そうならなければならない”という重圧があるのかと思っていた。
かつて自分がそうしようとしていた時期がシーナにはあったからだ。
期待通りの人間になろうと自分を変えようとして、けれど出来なくて失敗した。
父も母も優しかったから責めることはしなかったが、コイツは軍主という期待が大きかったからこそ、逃げられないのかもしれない、と。
けれどそれも全部違っていた。
全部本人の意思から出たものだったのだ。
「なんだ、そうかよ」
心からシーナは大きく息を吐いた。
苛々としていた胸のつっかえが取れ、なんだか簡単なことに漸く気付けた気がした。
強がっているのでも背伸びをしていたのでもない、ユンファはただ強かっただけだ。
自分と違って逃げず、自分の意思で変わろうとし在ろうとした。
そういう強さを持っていた。
シーナはまだそう思うほどのものを持ったことがない。
そういうのはちょっと悔しがったが、まあ今から探せばいいかとも思った。
「それからシーナ、軍主さまというのはやめろ。お前が言うとどうも気持ちが悪い」
「…気持ち悪いって…。 ああはいはい、じゃあユンファね、ユンファ」
色の変化がない。
シーナはそう思っていたが、それはどうやら違ったようだ。
同じような色が散らばっていただけ。
深いそれを覗けばいろんな色が映っているのに、それを見ず外面で見てしまっていたわけだ。
なんだ、それだけのことかよ。シーナは思う。
会った時からユンファが気に入らなかった。
けれどそれと同時に目が離せなかったというも本音である。
同じような生い立ちなのに、ユンファだけが持つその強さが気になっていたのかもしれない。
「まあしょうがないから最後まで付き合ってやるよ」
シーナは逃げようとはしなくなった。